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糖尿病外来

糖尿病は高血圧、高脂血症とともに生活習慣病の代表的な病気です。

糖尿病が怖いのは、慢性的に血液中にあふれているブドウ糖が血管を傷つけ、自覚症状がほとんどないのに進行し、さまざまな合併症を起こしてくることです。

合併症を発症させないために、血糖値を良好にコントロールすることが必要ですが、同じ糖尿病でも、病態は千差万別です。

もっとも効果的な治療法も、一人一人異なります。

ある人には良く効く治療法が、他の人には効きづらいということは、糖尿病の治療ではよくあります。

お食事、運動に気を付ければ良い人から、最初からインスリン治療をした方がよい人までさまざまです。

お薬を飲みたくない人や、現在の生活のスタイルを変えたくないという人もいます。

当院では、現在のからだの状態、年齢、各々の価値観、生活環境なども考慮して、それぞれの幸せで健康的な人生を実現するために、患者様にとって最善の治療目標や方法を提供いたします。

こんな症状がある方は受診してください

  • 健診、ドックで血糖が高いと言われた
  • 血縁で糖尿病の人がいる
  • 肥満がある
  • 以前に糖尿病と言われたが、自覚症状がないので通院を止めてしまった
  • やたらに喉が渇く、多尿がある
  • だるさが続く、疲れやすい
  • 食べているのに痩せてきた
  • 足の裏がぴりぴりしびれる
  • 眼科で糖尿病による変化があると言われた

受診の流れ

  1. 問診票の記入
  2. 医師による問診
  3. 必要な検査の実施
  4. 検査結果から診断と観察
  5. 症状に合わせて指示・アドバイス

問診票を事前に記入いただけます

問診票を以下よりダウンロードの上、印刷記入してからご来院いただくことができます。

当日のお手間が省け、待ち時間の短縮ができますので是非ご利用ください。もちろん、ご来院いただいてからの記入でも構いません。

糖尿病外来問診票

当院で受けていただける検査

  • 採血、検尿、検便
  • HbA1c迅速測定
  • 血糖迅速測定

初めて糖尿病と診断された方は以下の検査が追って必要となります。

  • 胸部レントゲン、心電図、眼科受診 → 合併症のチェック
  • 腹部の超音波 → 膵臓、脂肪肝の チェック
  • 頚動脈の超音波 → 動脈硬化のチェック
  • ABI、CAVI → 血管のつまり具合(閉塞性動脈硬化症)と血管のやわらかさ(血管年齢)の検査

糖尿病と合併症とその治療

糖尿病とはどんな病気?

糖尿病とは、血糖値をコントロールするインスリンが不足または働きが悪くなり血液中に必要以上にブドウ糖がたまった状態です。

血糖値が高いまま放置すると様々な恐ろしい合併症を引き起こす病気ですが、早期からの血糖値コントロールによって健康な人と同じような生活を送る事ができます。

自覚症状がないけど糖尿病?

初期にはほとんど症状はありません。(検診で尿糖指摘されただけという人いませんか)

数年間放置して眼底出血などの合併症で発見される事はたびたび見受けられます。無症状の時期に治療開始していれば予防できたのに。

のどが渇く、多飲、多尿、夜間尿、強い空腹感、疲れやすい、ダイエットしていないのに体重が減る、手足がしびれる、足がつる

こんな症状が現れたらある程度進行した状態が考えられます。

受診し適切な検査を受けましょう。また早期発見、早期治療をしましょう。

どうして糖尿病になるの?

遺伝的体質に過食、偏食、運動不足、肥満、ストレスなどの環境因子が加わり、発症すると言われています。

全身に起こる合併症

網膜症(→失明)、腎症(→人工透析)や神経障害、動脈硬化による脳卒中、心筋梗塞や足壊疽(→足切断のことも)、感染症にかかりやすくなる

高血糖が引き起こす合併症は全身に起こり生命の危機に関わるものや生活の質を著しく損なうものです。

糖尿病の治療の最大の目的はこうした合併症を防ぎ健康な人と同じ一生を送る事にあります。

メタボリックシンドロームとの関連性

高血圧や糖尿病、高脂血症を合わせ持つ方は多く見られます。

運動不足や過食、食事の欧米化による肥満の結果、肥大した内蔵脂肪から血圧や血糖の上昇、高脂血症を引き起こすホルモンが分泌されるためです。

つまり高血圧、糖尿病、高脂血症の大本に内臓脂肪(肥満)があるのです。

故に糖尿病と診断される前からの積極的な生活改善が推奨されます。

食生活の欧米化や運動不足によりこうした糖尿病の患者数は年々増加しているといわれています。

予防、早期発見、早期治療で合併症を防ぎ健康な一生を送りましょう。

治療

基本は食事と運動療法です。初期段階では肥満の改善だけで糖尿病は大幅に改善します。

しかし、病気が進行すると薬物療法(経口剤、インスリン注射)が必要になります。

検査で膵臓機能を調べる事ができます。病態にあわせた治療を行います。

いずれにせよ、食事療法が基本になければ治療はうまくいかないものです。

1)食事療法

・カロリー制限食:1日3食、栄養バランス(食品交換表を用います。1日30品目)

※標準体重(kg)=身長(m)×身長(m)×22

活動量
軽い労作 デスクワーク・主婦 20~30kcal/kg × (標準体重)
普通労作 立ち仕事 30~35kcal/kg × (標準体重)
重い労作 力仕事の職業 35kcal/kg × (標準体重)
・糖質制限食

上記の従来型のカロリー制限食で血糖コントロールがうまくいかない方に糖質制限食を取り入れています。
自己流では危険性を伴います。特にインスリンや血糖降下剤使用中の方は低血糖、また厳格すぎる糖質制限はケトアシドーシスの危険があります。

また長期的な影響として動脈硬化を指摘する論文も賛否両論ある中で、糖質制限食による治療の安全な導入を行っております。ご相談ください。

2)運動療法

総カロリー肥満改善に役立ちます。また代謝改善しインスリン感受性が増加します。

重度合併症のある方は運動療法はできません。

従ってできるだけ、心電図、レントゲン、眼底検査(これは眼科紹介)などの全身検査を行った上で治療決定します。歩行が最もよいでしょう。

15〜30分、週3~4日以上、ちょっと汗ばむ程度の速さで1日1万歩を目標にします。しかし個人にあわせた運動量で無理なく長続きできるようにします。

3)薬物療法

総カロリー食事と運動療法ができている上でコントロールがつかない場合に使用します。

経口剤:現在作用の異なる多様な薬剤が開発されており病態に応じた治療が可能になっています。2~3剤併用が効果を示す場合もあります。

グルコシダーゼ阻害薬
炭水化物の消化吸収を遅らせ食後の血糖急上昇抑制
ベイスン グルコバイ セイブル
速効性インスリン分泌促進薬
速く作用し速く消失、食後血糖降下
ファスティック
グルファスト シュアポスト
スルフォニル尿素薬(SU薬)
膵臓に作用しインスリン分泌血糖低下
グリミクロン オイグルコン
ダオニール アマリール
ビグアナイド薬
肝臓での糖生成を抑制し血糖低下
メデット ジベトス メトグルコ
インスリン抵抗性改善薬
脂肪細胞でのインスリン感受性を改善
アクトス

インクレチン製剤

血糖依存性に低下させるので単独では低血糖が起きないとされる(100%ではない)。

併用では低血糖の危険あり。食物が腸管に入ると放出される消化管ホルモン(インクレチン)は、インスリン分泌を促進した後直ちに分解されます。

DPP-4阻害薬(経口剤)
特徴:膵臓β細胞の保護作あり
ジャヌビア グラクティブ エクア
ネシーナ トラゼンタ テネリア
オングリザ スイニー
GLP-1作動薬(注射薬)
特徴:膵臓β細胞保護再生作用。体重低下作用が注目される。
注意:インスリンの代替薬ではありません。
長時間作動薬
(空腹時と食後の血糖を低下)
ビクトーザ ビデュリオン
トルリシティ (アテオス)
オゼンピック
短時間作動薬 (食後血糖値を低下)
バイエッタ リキスミア
GLP1作動薬(経口薬) リベルサス(起床時服用後30分以上飲食不可)

インスリン分泌低下なのか分泌過剰か、またインスリン感受性低下かを血液検査や体重などから総合的に判断後治療を選択します。

SGLT2阻害薬
腎臓での糖再吸収を阻害、尿に糖を排泄。
1日200~300kcal排泄、体重減少効果。
スーグラ フォシーガ ルセフィ
デベルザ アプルウェイ カナグル ジャディアンス

インスリン製剤

当院では外来インスリン導入、自己血糖測定、在宅自己注射指導管理、糖尿病の継続的な療養管理を行っております。

現在多種類あり、また注射器も小型でおしゃれなペン型があります。

いたずらに高血糖の状態を続けると容易に低下しなくなり(糖毒性)合併症への近道を行く事になります。

従って早期にインスリンで高血糖の悪循環を断ち切る事が必要です。そうすればインスリンから経口剤へ切り替える事も可能なのです。

定期検査

■血糖コントロールの指標:HbA1c(ヘモグロビンA1c)とは?

過去1~2か月の血糖値の状態を反映します。合併症予防には7.0%未満が目標です。一般的に治療困難な方や高齢者ではやや高めに目標設定します。

治療内容や年齢によって6.0%未満、7.0%未満、8.0%未満と個々に設定します。

血糖値:空腹110~130未満、食後140~180未満 その他、LDLコレステロール100未満、中性脂肪150以下、血圧130/80未満、標準体重±10%、血圧、高脂血症の治療も重要な治療の3本柱です。

■尿アルブミン値:腎症を早期にキャッチ、この段階で血糖と血圧コントロールを行えば進行予防可能です。腎症進行すると尿タンパクが陽性となります。

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